本と料理と自転車と

弁当男子を始めたアラサー会社員が綴る読んだ本の読書録と作った料理と自転車のはなし

Stage 17:薬害でっちあげ あまりに非科学的な子宮頸がんワクチン阻止運動ー新潮45eBooklet

先月子宮頸がんワクチンの安全性を訴えてきた医師でジャーナリストの村中璃子さんがJohn Maddox Prizeを日本人で始めて受賞されました。

2017 John Maddox Prize – Sense about Science

 

 

海外の賞を日本人で始めて受賞すると比較的メディアに出ることが多いと思うのですが、今回は控えめ。

このことに関して私の周りでなんでこんなにメディアで伝えられないんだ?などいろいろな意見があり個人的にそもそも何があってなんで受賞されて、なんでそれに対してメディアの反応が薄いのかが気になり関連する本を読んでみたいなと思いました。

受賞理由に関してはJohn Maddox Prizeのページに簡単に書いてあるのでそれはさておき本の内容ですが、まさに知りたい内容が書いてありました。素人にもわかりやすくに時系列に沿ってとても読みやすく書かれています。

 

この問題は医師、患者、メディアの思いがつながって大きなワクチン阻止運動というミスリードに繋がりその結果としてワクチン接種率の低下、受けたいのに受けられない患者の増加へと繋がっていたのかなという印象を受けました。

それぞれの立場では以下のような思惑があったのかなと個人的に強く同意したのは以下の引用です。

 

まず、対応した医師としては

厳しい治験を通り、市販後の安全性も確認されているワクチンを危険だとするのに、小児に対する治験も行われていない安全性の不確かな薬を用いる矛盾。

これは検査結果で問題ないとしていても患者が症状を訴えてくるのでうまく説得しきれず対応してしまった結果こういうことを現実としてやっているとのこと

 

患者としては

点滴や手術などやってもらった感じがする治療ほど患者は満足し、一時的にすごく良くなります。しかし、また症状が出てくるのでもっともっととやってもらった感じのする治療を求めるようになります。

確かに症状はあるのに何もやってもらえないとセカンドオピニオンとして別の医師に診断を委ねるかもしれません

その中で何かやってくれた医師を信用したり、SNS等で知った方法を試してもらうなどしてしまったのかなと…

 

最後にメディアとしては

子宮頸がんワクチン問題に限ったことではないが、物差しとなる情報を読者に与えず、一見論理的に見える数字を示して、強い印象を与える報道があとを絶たない

これホントに思うんですけど、数字だけで話をする。(しかも特に意味のない)

医学にかかわらず犯罪件数とか経済とか都合のいい数字を切り取って恣意的に報道するのってほんとに良くないよなと思います。

 

子宮頸がんワクチンに限らずワクチン摂取反対派の方たちももっと論理的に考えてほしいと思う私でした…(考えるための情報が少ないというのもあるかもしれませんが)

もちろんフェアな状況でそれでも受けないと言うのは自由ですが…

この本は大体一時間もあれば読めると思うのでぜひ読んでみてください。

 

今週の弁当振り返りはこのあとアップデートします。