本と料理と自転車と

弁当男子を始めたアラサー会社員が綴る読んだ本の読書録と作った料理と自転車のはなし

ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考

 

 研究者でありながらGenequestという遺伝子解析サービスの経営者でもある筆者が自身の経験や研究をベースに人生、ビジネス、組織論などを語っている本です。

この本めっちゃおすすめです。

特に行き詰まったときとか視野を広げたいときに読むと良いかな

Kindleで読んだんですがメモ書きがめっちゃ多かったので厳選して3点ピックアップ

 

今は辛いが、未来は幸福であるという分断された考えを持つのではなく、時間的視野を広げ現在と未来を同時に見て、その上で現在何をすべきかと思考をし続けることが大事であると、自分の中で納得がいったのです

 本書の多くの箇所で語られていることなのですが時間的空間的視野を広げて考えるということ。

個人的には未来のゴール設定をしてそこと現在の自分のGapを埋めていくロードマップを作成していくイメージなのかなと

10年後こうなりたいのであれば1-2年後にこうなっていて…といったイメージを持ってそうなるためには今何をするべきなのかに注力する。

マイルストーンに達した段階で何ができたか何ができなかったのかゴールの位置はこれで良かったのか等思考していく

過去を嘆いている暇もない、過去の積み重ねとしてのイマ、イマの積み重ねが未来という思考ができれば良いのかなと

 

「なぜヒトは努力しないといけないのか?」という問いへの答えは、宇宙にとっての平衡(エントロピー増大)と私たちの個体にとっての平衡(エントロピー減少)が異なるため、積極的にエネルギーを使って行動しないと個体としての形を保つことができないから 

続いてはこちら、これはなぜ努力をという切り口ですが、生命は個体を維持するために変わり続けないといけないことを例に出しています。
以前読んだThe Order of Time(ブログ書いたつもりがアップされてなかった…)でも時間とはエントロピーの増大である(めちゃくちゃ意訳しました)とありつまり時間がすすむ中ではエントロピーは増大して何もかもカオスになっていく。
ではどうして生命は個体を維持しているのかというと上の通り平衡状態になるため努力をしているからという考えができる。
生命の話ですがこれって会社でも組織でも形を有しているものは一緒ですよね。
変化し続けられる会社・組織が強いと言われますし。
家なんかも人が住んでメンテナンスされると現状を維持できますが、放置された途端一気に崩れていきますね。
まさに自然の摂理という感じ

人間は完全な意味で自然に生きることなどはありえないと考えています。正確に言うと、「自然」と「人工」は二分できるものではなく、二者のグラデーションの中でしか生きられないのではないでしょうか。

こちらはゲノム編集に関してそもそも何が「自然」なのか「人工」なのかという議論のなかで出てきました。私はこの筆者の考えに完全同意です。

「自然」でも健康に害がある物質は多くあるし100%の「自然」(そんなものが存在するとは思えませんが…)を求めるのであれば極端な話絶滅危惧種を救えなかったり、生産性や気候変動による問題で地球の全人口を支えるだけの食物を作ることもできなくなってしまう(食用で栽培されている植物の多くが何らかの形で「人工」的に交配、改良されているため)
重要なのは何が「自然」で何が「人工」なのかではなく一人ひとりが何を重視するのかを双方の意見を聞いた上で思考し議論してルールを決めていくのが重要なのではないかと思いました。(ワクチンもそうですが一方的にエビデンスや理論に基づかない反対をするのではなく、お互いを知った上で議論するべきかと)

 

最後にあったこの筆者の問に私なりの回答を…

「どの遺伝子なら改変してもよいか」という議論を始めておくべきだと私は考えます。みなさんならどう考えるでしょうか

 個人的には改変によってターゲット以外が変異しないこと、ミスを防ぐ措置をとることを前提条件として個の単体として(改変したDNAが子孫に残らない)の改変は良いのではないかと思います。ただ適用者にはリスクとベネフィットの説明は必須でその選択は適用者の判断に委ねるというのはもちろんですが。

ただこれって宗教的にはかなり反発をくらいそうな議論ですよね。輸血ですら宗教的な理由で拒否されているかたもいますし…

ちなみに宗教的な理由で輸血を拒否している場合、将来的に仮に人工血液ができた場合(自分自身のDNAをもとにして生成した)血液を輸血するのは宗教的にはどうなんですかね?ちょっと気になりました。(そもそも血液とはいえ臓器を人間が作り出すのがNGとなりそうな気もしますが)

 

長々書いてしまいましたが実は昨年秋頃にGenequestやってみました。

本書の中にも遺伝子に抗うことができるということが記載されていましたので私はGenequestの結果より私は忍耐力が低めのタイプと出てしまったのでこの遺伝に抗ってみようかなと考えています。

 

Genequestをやるかどうかはおまかせしますがこの本はかなりおすすめなのでぜひ読んでみてください!

 

それでは