Stage 63:未必のマクベス
これぞ読書体験!と感じられるとても引き込まれるストーリーでした。
この本はリンクはKindle版ですが実際は本屋さんで買いました。
そして北上次郎さんの解説を読んでハットしました。
なににハットしたかというとこの本を手に取るまでのストーリーが完全に一致してました…
私も恥ずかしながら、マクベスどころかシェイクスピアなんて一度も読んだことがないし、この作者の本は初めてでした。
がなんとなくこのタイトルに惹かれてこの本に手が伸びました。
まさにジャケ買いならぬタイトル買い!
マクベス
さて、内容ですがシェイクスピアのマクベスの物語のように登場人物が巻き込まれていくそして主人公がマクベスにそしてその運命は澳門のカジノから始まる。
主人公にとっての(少なくとも最初に気付くポイントとして)ターニングポイントとなるこの地でカイザー・リーや占い師などキープレイヤーよりマクベスの劇中へ引き込まれていく
マクベスは間違いなくキーとなる物語で内容を知っていたほうがスムーズに読み込めると思うけれど、ところどころに解説があるので私のように読んだことがないし内容もいまいちわかっていない読者でもマクベスを知っているつもりになれる。
いつかマクベスも読んでみたい
カイザー・リー
間違いなくこの物語でキーとなるこの人物は多くの人がそのモデルとなった人物を知っていると思う。
正直彼の略歴を聞いた段階でモデルが誰なのかはわかった。一方、出版から4年以上がたちこの本で出版当初と今ではモデルとなった人物の運命が大きく変わってしまったが、その運命を知るものとしてこの人物が物語に登場するのも感慨深い
あの事件の前にこの本を読んでいたとしてもあの事件の後でもう一度この本を開きたくなると思った。
結末は秘密にしてください
主人公が度々言葉にする
結末は秘密にしてください、なんていう話は、つまらないに決まっている
という言葉
これ、要は結末がわかってしまった物語はつまらないということだとするならばこの小説はかなりチャレンジングな小説だと思う
なぜならタイトルにマクベスを採用している以上、ある意味手に取る前に結末がわかってしまう物語だから
でも、私は結末を知ってもなお(というかすでに1回読了しましたが)また読みたくなる小説であり、ある意味この主人公の仮定を覆すこの小説はすごいと思う。
哀愁漂う東南アジア旅行
主題とは逸れますが、この小説を通じて香港、澳門、ホーチミン、バンコクなどなど東南アジアを旅しているような気分になりました。
それと同時に私も"王"にならなくても良いけど旅をしてみたい気分になりました。
この小説はミステリーであり、初恋小説であり、ある意味旅行ガイドのような物語でした。
明日からお弁当復活します!(多分)
それでは